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第23回 全国大学会計人会サミットin横浜国立大学

第23回 全国大学会計人会サミットに参加しました

令和元年11月30日、横浜ランドマークタワー25階のバンケットルームAにて、横浜国大会計人会の主催による第23回全国大学会計人会サミットが開催されました。私がこのサミットに参加したのは、母校主催で開催された第12回目以来、実に10年以上ぶりです。 くしくもこの日はJR羽沢横浜国大駅の開業日。天気にも恵まれ横浜国大関係者の皆様にとって最良の一日となったことでしょう。

サミットはまず、横浜国大会計人会の井村順子実行委員長のご挨拶の後、来賓として日本税理士会連合会の神津会長、日本公認会計士協会の手塚会長のご挨拶を頂き、サミット会議テーマの講演に移りました。本年のテーマは「AI時代における会計・税務・監査の未来」。AI技術の発達により、あと10年以内に失われる職業ランキングの上位に税務会計業務が含まれているとの調査研究が公表されるなど何かと話題のテーマです。

まず初めに、東京大学大学院教授である中里実先生による基調講演を拝聴しました。急速なコンピューター技術革新を受け、アメリカではコンピューターサイエンス関係学部の人気が急上昇しているとのお話がありました。また生活分野へのAI技術の進展も急速に進んでいる一方で、AIが苦手とする分野(人間が得意とする分野)は依然として存在し、完全に代替されることはないであろう、とのお話しがありました。今後は、「AIが得意とする業務はAIにやってもらい、人間はAIで置換できない役割(価値判断など)に特化していくという形で「共存」していく必要があると強く感じました。

続いて、横浜国大会計人会の会員による「税務会計」パートと「監査」パートの講演が続きました。税務会計パートでは、フィンテック、クラウド会計システム、ペーパレス化(電子保存)の波によって会計事務所の果たすべき役割は大きく変わるであろう、との話が印象的でした。新技術の活用により、従来型の会計事務所の主要業務とされてきた記帳代行業務に割り当てられる作業時間が大幅に減少することは既に実証されつつあり、その時間を高付加価値な業務の提供につなげるべきであるし、それこそが会計事務所の差別化や生き残り策に繋がっていくものだと感じました。また監査パートでは、これまでの監査環境が大きく変化し、紙に印刷された数値にチェックマークを付すという従来の監査スタイルではなく、年間の取引データ(デジタルデータ)をAI技術を活用して全件監査し、人間は、検出された異常点等に対する評価や対応に集中するという方向に代わりつつあるとの話がありました。限られた取引しか検証できないという、サンプリングに基因する監査の限界は、AI技術革新によって見事に乗り越えられるものだとの印象を受けました。

最後に、横浜国立大学大学院の斎藤真哉先生による総括、そしてAIをはじめとするIT技術の活用を通じて、輝かしい未来に向かおうとのサミット宣言を採択し、3時間の講演会は終了しました。

サミット出席者はほぼ全員、その後の懇親会まで参加され、交流を深めることができました。

刺激的な話を多数伺うことができ、大変有意義な時間を過ごせたと思います。

文責:専修大学会計人会 幹事 鯨岡 健太郎